つぶやく税理士

運も実力のうち

  2022/02/01    商売のヒント

皆さんは「運」について、どんな考えをお持ちですか。昨年、現役を引退した元横綱白鵬の間垣親方は「私は決して強い人間ではありません。ただ運があった。その運は努力をしている人間にしか来ない」と言い、サッカー界のレジェンド三浦知良選手は「コツコツやってきたことが実って結果となる。その積み重ねが運をも呼び込む」と言っています。
意思や努力ではどうにもならない巡り合わせを「運」という人もいますが、先の二人は「運も実力のうち」「運は自分で良くできる」と考えているようです。昨年、MVPに輝いた大谷翔平選手も「運」を大事にしている一人です。大谷選手は花巻東高校時代に「プロ野球8球団からドラフト1位指名を受ける」という最終目標を達成するために、マンダラチャートという目標達成シートを作ったことはご存じの方も多いでしょう。マンダラチャートでは、9×9の81マスの中心に最終目標を書き、その周囲には目標達成に必要な8つの要素を書きますが、高校生だった大谷選手は8要素のひとつに「運」をあげました。注目すべきはここからです。マンダラチャートではさらに、運を良くする要素を8つに細分化していきます。

皆さんなら運を良くするために何をしますか。当時の大谷選手が考えた運を良くする8つの行動とは次のとおりです。「挨拶」「道具を大切に使う」「プラス思考」「ゴミ拾い」「応援される人間になる」「部屋掃除」「審判さんへの態度」「本を読む」。ここから見えてくるのは「感謝の心」でしょうか。周囲の人たちへの感謝。物への感謝。大好きな野球ができることへの感謝。

また高校時代の佐々木監督からは「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。そして自分自身にツキを呼ぶ。そういう発想をしなさい」と言われ、それ以来、ゴミ拾いを続けているそうです。何事にも感謝を忘れず、コツコツと努力を重ね、意図して行動する。実力とはその結果であるならば「運も実力のうち」という言葉の重みが身にしみます。つまりは志を持って目の前の仕事に集中していると、おのずと運に恵まれるということなのでしょう。