視点という選択肢
2025/04/30 商売のヒント
「2人の囚人が鉄格子から外を見ていた。1人は地面の泥を見て絶望した。もう1人は空に輝く星を眺めて希望を抱いた」。これはアイルランドの詩人、フレデリック・ラングブリッジの「不滅の詩」の一節で、大ヒットマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』でも引用された有名な言葉です。
2人の囚人の目に映るものは同じでありながら、その見方は対照的です。1人は下を向き、見えるのは足元の泥のみ。もう1人は上を向き、星空の輝きを見つめる。この詩は、同じ状況でも視点によって意味合いがいかに変わるかを端的に表現しています。人生の困難に直面したとき、あなたはどこに視点を向けるでしょうか。
足元の泥、すなわち現実の苦しみや制約にばかり目を奪われると心は絶望で満たされます。しかし視点を変え、希望を象徴する星を見つめることで心に光を灯すことができるのです。この対比は、単なるポジティブ思考・ネガティブ思考の違いではありません。それは自分の置かれた状況を解釈する力。そして、未来への可能性を見出す能力の差ではないかと思います。商売の場面でも同じです。思うようにならないとき、問題に囚われるか、それとも解決策を探し続けるか。限界だとあきらめるか、それとも創造性を発揮するか。起こった出来事自体より、そこから何を見出し、どう解釈するか、そしてどう行動するかによって、まったく異なる展開が広がっていきます。愚痴や批判が多くなったら自分に問いかけてみてください。「泥を見るか、星を見るか」と。結局のところ、人生も商売も「視点」という選択肢によって形作られているのだと思います。