つぶやく税理士

読書という最高の武器

  2025/10/31    商売のヒント

イーロン・マスクは9歳でブリタニカ百科事典全巻を読破し、若い頃は1日最大10時間もSF小説を読んでいたのは有名な話です。「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫さんも若い頃から哲学書や歴史書などを読みあさり、独自の経営哲学「京セラフィロソフィ」を築き上げました。多読で知られる孫正義さんは、特に歴史小説、中でも司馬遼太郎の作品から多くの知見を得たと公言しています。多忙を極める経営者たちは、なぜそこまでして「紙の本」を読むのでしょうか。その理由は、読書「コストパフォーマンスに優れた最高の自己投資」だからではないかと思います。本は、先人たちが膨大な時間と労力をかけて築き上げた知恵と知識の結晶であり、彼らの成功と失敗の記録ともいえます。私たちが直接、経験できることには限りがありますが、読書を通じて他者の仕事観や人生の軌跡を追体験することで、自分の経験値を飛躍的に高めることができるのです。

また読書によって多様な思想や価値観に触れることで、自分なりの考えや信念、確固たる判断基準を築くことにも役立つでしょう。読書習慣のある成功者に共通しているのは、単に知識を得るために本を読むのではなく、歴史や哲学から人生や経営の本質を学び、独自の哲学や確固たる判断基準を築くために読書を活用している点です。

インターネット上の情報が短期的なビジネスのヒントだとすれば、紙の本は永続的な自己成長を支える羅針盤といえるでしょう。本の解説動画やオーディオブックも便利ですが「自分の血や肉となる最高の自己投資」を目指すのであれば「読む」に勝るものはなさそうです。